~電気で暮らす“オール電化住宅”のすすめ~
第9回 調理・給湯・冷暖房など、すべてのエネルギーを電気でまかなう
安全で快適な暮らしを約束する未来派住宅

009-01.jpg  最近、“オール電化住宅”というコピーをあちらこちらで見かけるようになりました。 ただ、その意味を正しく理解している人は、それほど多くないと思います。 そこで今回は、未来派住宅ともいえるオール電化住宅について紹介します。

 オール電化住宅とは、ひと言でいうと調理や給湯そして冷暖房まで住宅で使われるすべてのエネルギーを クリーンな電気でまかなう住宅のことです。高気密・高断熱仕様が一般的になっている今日の住宅では、 室内で直火を使わない電気エネルギーは余分な水蒸気やCO2(二酸化炭素)を出さないため、清潔な室内環境が保てるのが 最大の特徴です。また、直火がないことでお年寄りや子供にとっても安全で快適な暮らしが約束できますし、 夜間の割安な電気を活用すれば毎月の電気代が驚くほど割安になるのも魅力です。このようにオール電化住宅は様々な 優れた特徴がありますから、新しいマイホームではぜひ検討してみてください。





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直火を使わない安全・安心のIHクッキングヒーター
POINT1
009-03.gif これまでの住まいの中で頻繁に火を使う場所はキッチンでしたが、オール電化住宅では火を使わず磁力線で鍋自体を発熱させる IHクッキングヒーターが主役になります。

 このIHクッキングヒーターは直火を一切使いませんから、お年寄りや子供にも安心だし、吹きこぼれによる立ち消えや ガス漏れの心配がないのが最大の魅力です。電磁誘導による直接加熱方式ですから、まわりから熱が逃げないため熱効率が 約90%と高く、しかも鍋自体を発熱させるのでキッチンまわりが熱くなりません。輻射熱による温度上昇が抑えられるので、 夏でも快適な環境で調理ができます。ゴトクのないトッププレートは完全にフラットですから、吹きこぼれてもサッと拭くだけで 綺麗になり、掃除が楽なのも主婦にとってうれしいことです。

 また、電気式ならではの制御機能や安全機能も充実しています。タイマーなどの基本機能はもちろんのこと、 スイッチを切り忘れたり空だきなどで鍋底の温度が上がり過ぎた場合に自動的に通電が切れる機能や、 子供がスイッチに触れても操作を受けつけない安全機能も付いています。

 火力不足を心配する人がいますが、ガスに負けないパワフルな火力が得られます。しかも、細かな火力調節が可能ですから、 ステーキを焼いたり野菜炒めなど強火の料理だけでなく、弱火で長時間煮込まなければならないシチューなども上手に仕上がります。 揚げ物の温度を一定に保つ油温調節機能を使えば、どなたでも揚げ物も上手に揚げることができます。料理があまり得意でない 主婦が「IHクッキングヒーターを使うようになったら天ぷらがカラッと揚げられるようになったし、中華料理もおいしく 仕上げられます。魚もムラなく、外はパリッと中はジューシーに焼けるようになりました」と満足顔で話してくれました。
大気熱を利用する貯湯式電気温水機“エコキュート”
POINT2
009-04.jpg TVのスポット広告などで紹介されているのでご存知の人もいるでしょうが、電気式給湯機で最近注目されているのが “エコキュート”です。エコキュートは、大気の熱を汲み上げて熱エネルギーをつくるヒートポンプシステムを利用するので、 燃焼式給湯器に比べて一次エネルギー消費量を約30%削減する省エネ効果が期待できるのが特徴です。 電気やガスのエネルギーをそのまま熱に変換するのではなく、大気熱という自然エネルギーを利用することで 電気エネルギーに対して約3倍の熱エネルギーを得ることができるわけです。また、ヒートポンプシステムの冷媒には フロンではなくCO2を使用するので、オゾン層破壊や温暖化ガス排出を抑制する効果もあります。 つまり、エコキュートはきわめて省エネルギーで環境性が高い給湯機といえます。

 エコキュートは、割安な夜間電力と高効率なヒートポンプシステムを組み合わせることで、 ランニングコストが月平均約1,000円と他の給湯システムに比べて割安となるのも大きな魅力となっています。 設置スペースについては、最高約90℃(ヒーターレス)という高温沸き上げにより貯湯ユニットの奥行きを約45cmと コンパクトにすることで、狭いスペースでも容易に設置できるようになっています。また、給湯機能に加えて、 床暖房や浴室換気乾燥暖房機能を備えた多機能型のエコキュートも新登場しています。

 追い焚き専用の強力な熱交換器を採用した機種であれば、浴槽の湯量を変えずにスピーディーに追い焚きができます。 熱いお湯を足さずに沸かし直しができるので、節水になります。また、貯湯式ですから複数の場所で同時に給湯しても 安定した湯量が確保できます。いざというとき、非常用水としても使えるというメリットもあります。 009-05.gif
バリエーションが豊富な電気式床暖房
POINT3
 ファンヒーターで暖房すると、顔だけボーッと熱くなったり、換気不足でいがらっぽさを感じることがあります。 こうした悩みを解消するシステムとして人気を集めているのが床暖房です。電気式はバリエーションが豊富ですから、 ライフスタイルに合わせて機種が選べるのが特徴です。

 例えば、ヒートポンプ温水式床暖房は、床下にはわせたパイプに温水を送り込んで床面を暖める方式ですが、 ヒートポンプシステムはガスや灯油を熱源とするシステムに比べて熱効率が高いので、ランニングコストが割安です。 熱源機であるヒートポンプユニットをエアコンの室外機と併用することで、床暖房用の熱源機スペースを省略できますし、 エアコンと連動運転で効率的にすばやく部屋を暖めることができます。

 電熱線タイプの床暖房には、フローリングへの直張り仕上げ用、フローリングとの一体型、防音床材との一体型などが ありますが、どのタイプも信頼性の高い電熱線方式のヒーターを使用し、サーモスタットや温度ヒューズを内蔵した 木質パネルとして加工してあるので、安全性と施工性が優れているのが特徴です。

 自己温度制御(PTC)タイプの床暖房は、発熱体にプラスチック素材を使用した面状ヒーターです。 ヒーター自体が周囲の熱環境や放熱に応じて温度と発熱量をコントロールする性質を持っていますから、 周囲の温度が一定以上に上昇すると電気抵抗値が急激に増加して電気が流れにくくなり、温度が低くなると 再び電気が流れて発熱を始めるわけです。ヒーター自体が非常に薄いのが特徴で、リフォームなどで床高を上げずに 施工したいときに適しています。

 低ランニングコストで長時間暖房をという人に注目されているのが、蓄熱式床暖房です。 蓄熱式には、コンクリートやモルタル素材に蓄熱する顕熱蓄熱タイプと、一定の温度で熱を貯えることができる潜熱蓄熱材を 使用した潜熱蓄熱タイプがありますが、住宅では潜熱蓄熱タイプが用いられます。他のシステムに比べてイニシャルコストが 多少割高ですが、夜間の割安な電気を利用して熱を蓄えるので、24時間暖房がきわめて低コストで実現できる経済的な方式です。 しかも、24時間暖房ですから部屋の温度変化が少なく、他の暖房方式に比べてエネルギーロスが低減できるのも特徴です。

 分譲マンションでは今、オール電化仕様が話題になっていますが、IHクッキングヒーターで安心して調理をしたい、 安定した湯量と湯温の給湯システムに変えたい、快適な居住空間が約束された床暖房にしたいなど 個別のニーズにも対応できるので、戸建て住宅でもぜひ検討してみてはいかがでしょうか。 009-06.gif

資料提供:ハウジング企画社 記事:オフィス サード アベニュー 斉藤良介
※2004年に掲載されたものを転記しています。


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