~狭くても、天井が低くても極上の『いやしの場』だ!~
第14回 ロフトはプラスαの空間
ロフト付きスタジオタイプに、熱い視線

014-01.jpg シングルやDINKSから今、熱い視線を向けられているのがスタジオタイプと呼ばれる間仕切りのない、 少し広めのワンルームマンションです。

 2004年春、代々木公園のすぐ傍で分譲された5階建ての新築マンションは、そのほとんどがスタジオタイプでしたが、 高倍率で完売しました。購入目的は、もちろん30歳代前半の比較的自由な仕事をしている人や独身キャリアウーマンなどが 住居として利用するというのが大半ですが、中には多忙なパワーシニアと呼ばれる人たちが週日に利用するセカンドハウスとか SOHOというケースも多かったそうです。

 築地市場の近くで募集した賃貸マンションもスタジオタイプが中心でしたが完成即満室となり、 現在も入居待ちの人が長い列をつくるほどの人気ですが、ここでもフリーのカメラマンやデザイナーなどが入居希望者の 8割以上を占めているそうです。

 この2つのマンションに共通していることは、決して広くはありませんがどの部屋にもロフトが付いていたことです。 事実、担当者に話を聞くと、ロフトへの関心は立地条件と同じくらい高かったといいます。 例え一人暮らしでも、時には非日常的な生活がしたいと思うものです。そうしたとき、狭くて天井が低くても、 自分のお気に入りのものに囲まれた空間は、極上の"いやしの場"になるからです。もちろん、お客さんを招いたときには、 大変重宝する空間にもなります。

 そこで今回は、自分だけのオアシスといえるロフトのある部屋で、自分流の暮らしをエンジョイしている事例を紹介します。
たとえ畳2枚分でも、立派な書斎コーナーです

 大手出版社で雑誌の編集をしているAさんのお住まいは、最寄りの駅まで歩いて数分のワンルームマンションです。 閑静な住宅地とは決していえませんが、帰宅時間が不規則な毎日ですから交通アクセスを優先したそうです。 ただ、ほぼ同程度の家賃で借りられるもっと広い部屋も近くにありましたが、ロフトが付いていたのがこの部屋に決めた 最大の理由でした。というのは、締め切りが近づくと家に仕事を持ち帰らなければならないAさんにとって、 念願だった書斎コーナーがロフトにつくれるからです。

 この部屋のロフト部分は、コンパクトなキッチンの上ですから畳約2枚分の広さしかなく、 立ち上がると頭が天井につかえてしまいます。しかし、2台のパソコンを並べても資料が広げられる大きな座卓が置けるので、 スペース的にはこれで十分だといいます。

 仕事場がロフトにできたメリットは、もうひとつあります。それは、急な訪問者がいてもその度にデスクを片付ける必要が ないことです。仕事の途中で資料などを片付けてしまうと、再開しても中断前のペースに戻るのに時間がかかることがありますが、 デスクの上が元のままですからその心配がありません。

 この話を聞いた同僚は「僕だったらロフトを寝室にするよ。万年床にしていても誰にもわからないからね」と笑っていたそう ですが、万年床はともかく、狭いからといって物置にしてしまうのはもったいないのがロフトです。 畳2枚分程度のロフト付きワンルームマンションは今、かなり市場に出まわっているので、あなた流に工夫して非日常的な暮らしを 楽しんでみてはいかがですか。

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屋根裏収納が、和室の寝室兼隠れ部屋に変身

 次に紹介するBさんのお住まいは、約20畳の広々とした空間がなんともうらやましいのに、最上階ということもあって 天井の高さが4m以上もあります。しかも、ダイニングコーナーの上部には吊り梯子で昇降する畳6枚分もの屋根裏収納があります。 賃貸住宅の最大の弱点は収納不足だといわれていますが、6畳大の収納スペースですから不満があるはずありません。 ひとり暮らしのBさんには、広すぎるくらいです。

 ただ、この部屋は可動式の収納家具で寝室部分を区切るので、せっかくの広々空間も開放感がなく、しかもこの間仕切り家具が リビングコーナーからの視線を遮ってしまい、窓からの景色がまったく見えません。そこでBさんは、収納スペースになっている 6畳分の屋根裏を居室にリフォームして欲しいと交渉したところ、オーナーは快く希望を実現してくれました。

 リフォームした結果、屋根裏は1.5畳分の収納と4.5畳の和室に変身しました。立つのがせいいっぱいの空間ですが、 主目的が寝室ですから多少天井が低くても苦になりません。しかも、屋根裏を活用した不思議な雰囲気が漂う隠れ部屋のような 空間ですから、親しいお友達を招いてお茶をしたり、そのまま車座になって酒盛りになることも度々で、 仲間の評判も上々だそうです。

 非日常的な空間を上手に利用しているBさんは、毎月の家賃はリフォーム前より多少アップしましたが、 それでも大満足だといいます。

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吹き抜けの大空間を見下ろす、第2のリビングルーム

 Cさんのお住まいは、オーナーのお庭の一角に建つ大屋根の外観が印象的な木造平屋建てです。 建物の中央は囲炉裏を切った吹き抜けの大空間で、家族の団らんも、接客もすべてこの部屋が使われますが、 その多目的空間を見下ろすようにロフトがあります。屋根の勾配なりの天井と板張りの6畳大という、 なんともうらやましいスペースですが、ここがご主人の書斎兼ホビールームです。太い柱と梁の古民家風のつくりですが、 強度は十分ですから壁一面に本のサイズにあわせて造り付けの本棚をつくりましたが、まったく心配ありません。

 まさに"男の城"とでもいえそうな、重厚感のある空間です。事実、ご主人は本を読んだりパソコンに向かったり、 趣味の模型づくりに没頭したりと、休日ともなるとほとんどこのロフトに篭っているそうです。

 姿が見えなくても声が聞こえ、気配が感じられるので、終日こもっていても孤独感はなく、家族も安心していられるのも ロフトならではの利点です。たしかに、この一体感こそがロフトの特徴ですから、子供のプレールームに使っても安心です。 Cさん宅でも奥さん専用のパソコンを購入しましたから、最近は夫婦共用の書斎となりましたが、いつのまにか子供たちも集まり 第二のリビングルームといった雰囲気だそうです。

 いずれにせよ、ロフトは1階でもなく2階でもないあいまいな位置にある空間ですが、隠れ家のような遊び心を満足させてくれる、 不思議と気持が落ち着く非日常的な空間です。そんな空間だからこそ、"いやしの場"として今、注目されているのだと思います。 あなたも、こうした夢のある暮らしを楽しむ仲間に入ってみませんか。

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資料提供:ハウジング企画社 記事:オフィス サード アベニュー 斉藤良介
※2004年に掲載されたものを転記しています。


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