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~固定しない家具は“滑る”“倒れる”“跳ぶ”凶器~
第31回 地震から我が家を守る基礎知識
基本はバランスのよい外観デザインと間取り、頑強な基礎

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 10月23日午後5時56分に発生した震度7という新潟県中越地震は、その後も大きな余震が続き、土砂崩れなどが多発しています。 ただ、鉄道や道路など交通網が各地で寸断され、電気・水道・ガスといったライフラインも深刻なダメージを受けましたが、 家屋の倒壊は全半壊合わせて約1,200棟、一部損壊約8,500棟と地震の規模からみると建物への被害が少なかったと報告されています (11月4日現在)。同じ震度7の直下型地震が襲った阪神・淡路大震災では、全壊約10万5,000棟、半壊約14万5,000棟だったことを 考えると、住宅密集度の違いを考慮しても住宅への被害が最小限に抑えられたと指摘する専門家が多く、被害の現れ方が異なって いることが分かります。

 震度の大きさに比べて建物被害が比較的小さかった理由は、地震波の周期(1回の揺れにかかる時間)との関連だと指摘する 専門家もいますが、それ以上に雪国特有の太い柱を使用した強固な住宅構造と屋根を雪の重みに耐えられるように軽量化した建物が 多かったことだといわれています。実際に現地を調査した建築の専門家も、最近建てられた住宅は1階部分を鉄筋コンクリート造、 上階部分を木造にした設計も増えていたようですが、いずれにせよ下部が丈夫で倒れにくいうえ、屋根を軽量化していたことが 被害を最小限に抑えられた理由だと分析しています。

 こうした例をみるまでもなく、地震に強く、安全な建物の条件は、バランスのよい外観デザイン、耐力壁がバランスよく 配置されている整形な間取り、地盤に対応した頑強な基礎だといえます。
火災より怖い倒壊しやすい建物

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 阪神・淡路大震災で亡くなった人の大半は、建物の崩壊や家具などの転倒・落下が主因の圧死だったといわれています。 阪神・淡路大震災では、住宅の倒壊とともに各地で大規模な火災が発生したことが被害を一層拡大したといわれていますが、 兵庫県監察医の調査では、火災で亡くなった人も、その多くは被災建物の下敷きになって逃げ出せずに火事の犠牲になったと 指摘しています。しかも、死亡推定時刻をみると地震直後の15分以内に9割以上の犠牲者が亡くなっているといいますから、 救出活動前です。

 ということは、火災が怖いのは当然ですが、それ以上に倒壊しやすい建物の方がもっと怖いといえます。  建設省建築震災調査会(当時)の調査によると、阪神・淡路大震災で被害を受けた建物の多くは(1)壁の量が不足していた、 (2)壁の配置が不適切だった、(3)柱と基礎の接合力が不足していた、(4)筋交い端部の接合が不適切だった、 (5)腐朽やシロアリの被害を受けていたと推定しています。ということは、こうした倒壊の原因になる問題点さえクリアすれば 一応安心だといえます。

 また、1981年(昭和56年)に抜本的に改正された建築基準法の耐震設計基準に適合して建てられた建物は、震度6程度の大地震で 建物に被害を受けても人命を損なわないように設計されていますから、阪神・淡路大震災や今回の新潟県中越地震でもほとんど 被害を受けていません。裏を返せば、それ以前に建てられた建物は大地震に弱い面を持っている可能性が高いわけですから、 至急耐震診断をすべきだということです。耐震診断は地元の自治体に依頼すると、講習を受けた建築士などの耐震診断士を派遣 してくれます。診断費用は3万円から5万円が目安ですが、自治体が全額負担してくれるケースもあります。




大揺れの恐怖から解放される免震住宅

 耐震診断の結果、問題がないと分かったが、それでもあの大揺れの恐怖から解放されないと不安だという人もたくさんいます。 建物が倒壊しないというだけでなく、できるだけ揺れを無くして欲しいという要求です。こうしたニーズに対応するのが、 地震の揺れを軽減する免震住宅です。

 最近話題になっている免震マンションは、地盤と建物の間に地震の揺れに対するクッションとなる人工の免震層をつくって 激しい揺れを吸収する仕組みになっており、揺れは3分の1から5分の1程度に軽減します。

 これに対して一戸建て住宅の免震装置には、積層ゴム方式、滑り方式、転がり方式という3方式がありますが、 多くの住宅メーカーが採用しているのは転がり方式の“ボールベアリング方式”です。仕組みは、建物の要所要所の下部に 金属の皿を置き、その上をボールベアリングが転がる、つまり建物の下にコロがあれば地面が動いても建物はほとんど揺れない という原理を利用しているわけです。

 通常の住宅は基礎の上に建物が乗りますが、免震住宅は基礎の上に免震装置があり、その上に建物が乗る二重構造に なっています。具体的には、直径約50cmのごく浅い鉢状の受け皿とボールベアリングを組み合わせた免震支承が基礎と建物の 間にあり、平常時は建物を支え、大地震が発生すると中に組み込まれたボールベアリングの動きで建物に一定以上の地震力を 伝えない、つまり地面は動いても建物が揺れない仕組みになっています。ただし、工事費は40坪程度の家で250万円くらい かかるので、実際に採用している住宅はまだ少ないようです。

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大事なことは家具の転倒防止などの身近な対策

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 地震対策とは、ハード面では耐震構造にしたり免震住宅ということです。前述した通り建築基準法の耐震設計基準に基づいて 建てられた建物は安全だと考えてよいでしょう。心配なのは、約140万戸あるといわれている耐震設計基準の改正以前に 建てられた建物です。こうした建物の場合は、自分でも簡易な方法で耐震診断することができますから、プロによる専門的な 診断を受ける前に自己チェックすることをお勧めします。

 耐震診断のポイントは、なんといっても基礎がどうなっているかということです。基礎は逆T字型の鉄筋コンクリート造で、 一般的には地盤に接する部分の幅が40cm程度ですが、まずヒビ割れが生じてないかをチェックします。また、建物の形状を みたとき平面的にも立体的にも凹凸がないかチェックします。現行耐震設計法は壁率計算を基本的な考え方としていますが、 それが縦・横の壁の配置がバランスよくとれているか、筋交いが適切に接合されているか、土台や柱に腐った部分やシロアリ による腐食がないか、などもチェックしましょう。こうした項目を確認し、不安があるようでしたらプロの診断を受けてから 補強体策を行いましょう。

 地震対策は、建物の安全性が確認されただけでは不十分です。全半壊をまぬがれた建物でも、その内部には多くの家具が 転倒していたり、割れたガラスなども散乱します。そこで、金具などによる大型家具・電化製品の固定や飛散防止フィルム などによるガラスの飛散防止といった身近な対策が必要となります。固定しない家具や家電製品は、滑り、倒れ、跳ぶ、 凶器になるからです。避難通路を塞がないためには、出入口周辺に家具を置かない(または固定する)、就寝中の安全を確保 するためにも寝室内にはできるだけ家具を置かないなどの配慮をしてください。地震対策とは、こうした身近な心構えが一番 大切だということを忘れないでください。

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写真提供:ハウジング企画社/記事:オフィスサードアベニュー 斉藤良介
※2004年12月に掲載されたものを転記しています。


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